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Vol.1 |
創刊号 医療法人 かわかみ外科・整形外科クリニック http://www.kawakami-clinic.com/ |
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───────────────────────────────── 【なるほどコラム】膝にたまる水 ───────────────────────────────── 以前、なにかの漫画で、「膝にたまる水」をびんにつめて売っている人 が描かれているのを見たことがあります。 金はたまらねど、石やら水やらはたまる。 今日は膝にたまる水のお話です。 まず、水がたまる、ということは、何らかの炎症がある、ということで す。もちろん、何らかの外傷によって血がたまっている、ということも あり得ます。この場合は、針を刺して抜いてみると、真っ赤な血が引け てきますので、すぐにわかります。 ・ 膝の関節内に出血を来すような病態 ・ 骨折や半月板・十字靱帯の断裂 などが予想され、多くの場合、追加の検査(MRI)や手術が必要です。 今回はそういった外傷がない場合のお話です。 「水がたまる」と言っても本当の水ではなく、体液です。ミネラルウォー タとして売ってはいけません。その体液は、通常は(少し専門的になり ますが)血漿(しょう)成分と滑膜細胞の分泌物で、原因によって性状 はさまざまです。そのため、その水自体からも診断が行えます。 透明なのか、濁っているのか。濁っているのであれば、その原因は何な のか。 赤血球数、白血球、白血球分類(単球、好中球、リンパ球、等)。タン パク量、グルコース量、というものも調べて、原因をつきとめます。 原因として比較的多いのは、次の二例です。 ・ 高齢者の変形性関節症 ・ 中高年の痛風 ただし、他にもたくさんの原因が考えられますので、ご自分で判断して しまわないように、ご注意ください。 一方、外傷なしに「血液」がたまっていた場合は、血友病や血管腫等が 考えられ、早期の治療が必要な場合があります。 とにかく病院へ行きましょう。担当は整形外科です。 ================================================================== 2004(c)Kawakami Surgery and Orthopedics Clinic. |
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